Ⅰ 研 究 主 題

学級活動において、よりよい生活や人間関係を築こうとする自主的、実践的な態度を育成するための指導・援助はどうあればよいか。

Ⅱ 主題設定の趣旨

 特別活動の目標は、今回の学習指導要領改訂でこれまでの理念を継承しながら、よりよい生活や人間関係を築くことを重視して、「望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団や社会の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的、実践的な態度を育てるとともに、人間としての生き方についての自覚を深め、自己を生かす能力を養う」こととなった。
  学級は、生徒にとって各教科等の授業を受ける場であるとともに、学校生活を送る上での基礎的な生活の場である。この学級集団を基盤として行われる学級活動は、学校生活の全般に関わる事柄を扱う生徒の自主的、実践的な集団活動である。また、学級における生活の有り様が生徒の学習や生活、対人関係、ものの見方・考え方等に大きな影響を及ぼすことから、他では代替することのできない大切な教育活動である。   
   そこで、これまでの研究の成果を踏まえ、学級活動を中心に体験活動を通してよりよい生活や人間関係を形成するための自主的、実践的な態度の育成に焦点を当て、生徒指導を基盤に据えて、各教科、道徳、総合的な学習の時間との関連を図りながら主題の解明に取り組んでいきたい。

Ⅲ 研究のねらいと内容

1 研究のねらい
 (1)学級活動を中心として、「なすことによって学ぶ」という特別活動の特質等を踏まえ、ガイ   ダンスを適時、適切に取り入れ、生徒の自主的、実践的な活動を通して、自己や集団の   諸問題の解決を図りながら、集団や社会の一員としての自覚と責任を高める。  
 (2) 教師の適切な指導・援助の下に、他との関わりの中で、望ましい人間関係を築きなが    ら、人間としての生き方の自覚を深め、個性を生かして自己実現を図っていく能力や態   度を育てる。
 
2 研 究 内 容
  (1) 指導計画を工夫する。
    ・ねらいを明確にした指導と評価の計画
      ・各教科等との関連
      ・3年間の学校生活を見通した系統的・発展的なガイダンス
      ・言語活動の充実 
 (2) 指導内容や指導方法を工夫する。
    ・よりよい生活や人間関係を築くための話合い活動の充実
      ・キャリア教育の視点に立った進路指導の充実
    ・ガイダンスの機能の充実
    ・体験活動を生かした指導の推進
 (3) 生きる力を育成するという観点から評価を工夫する。
   ・生徒のよさや可能性を伸ばす観点に立った、多面的・総合的な評価 
   ・国立教育政策研究所「評価規準の作成、評価方法等の工夫改善のための参考資料    (中学校特別活動)」の活用

特別活動部会 平成24年度研究計画

Ⅰ 研 究 主 題

学級活動において、よりよい生活や人間関係を築こうとする自主的、実践的な態度を育成するための指導・援助はどうあればよいか。
   −互いに認め合い、高め合う集団活動を通して−

Ⅱ 主題について

1 昨年度の実践から 
 ・学級活動において、進行や運営を生徒に任せるなど生徒主体の活動を繰り返し行 うことにより、司会者や書記、班長等のリーダーを育てるとともに、自主的、実践 的な態度を育成することができた。
 ・話合い活動に発表ボード(ホワイトボード)を活用することにより、グループの 話合いが活発になり、意見をまとめたり全体の中で位置付けたりすることがスムー ズに行われた。
 ・学級内プロジェクトチームを設ける活動で、ファイルに記録を蓄積しながらPD CAサイクルに沿って実践することが、生徒の創意を生かした学級組織づくりに有 効であった。
 ・国立教育政策研究所の資料等を参考にして、指導と評価を適切に位置付けた計画 を作成することにより、ねらいを明確にした授業をすることができた。
 ・学級での適切な話合い活動を進めるために、国語科等の教科や他の領域との関連 を図りながら、学校全体でルールづくりに取り組むことが大切である。
2 今年度の主題について
   学校における望ましい集団活動の原点は、学級活動の充実にある。学級は、生  徒一人一人のよさや可能性を生かし、社会性の育成や人間としての生き方を学ぶ  重要な場であり、学級や学校生活への適応は重要な課題になってくる。そして、  昨年度までの実践を踏まえ、今年度もよりよい生活や人間関係を築くことを重視  し、自主的、実践的な態度の育成に焦点を当てて取り組むことにした。
3 主題解明に当たって
  新学習指導要領の趣旨を踏まえて、以下の4点を重点的に取り上げることが主題 解明につながると考える。
     ・集団としての意見をまとめる話合い活動を中心とした言語活動の充実
     ・ねらいを明確にした指導と評価の計画
     ・3年間を通した系統的・発展的なガイダンスの実施
     ・小学校との接続や発展への配慮
Ⅲ 研究内容とその視点
 1 指導計画の工夫
  (1) 生徒の発達の段階や特性等を踏まえ、ねらいを明確にした指導と評価(評   価規準)の計画を作成する。
  (2) 学級活動の年間指導計画を作成する際には、各教科、道徳、総合的な学習   の時間、特別活動の他の内容(生徒会活動、学校行事)との関連を図る。
  (3) 小学校との接続に配慮し、中学校入学当初を含め3年間の学校生活を見通   した系統的、発展的なガイダンスを指導計画に位置付ける。
  (4) 集団としての意見をまとめる話合い活動を中心として、言語活動の充実を   図ることができるよう年間指導計画を工夫する。
 2 指導内容と指導方法の工夫
    (1) よりよい生活や人間関係を築くための話合い活動の充実
   ・教師と生徒、及び生徒相互の信頼関係を深め、相手の立場を尊重しつつ、自   由かつ率直に意見を述べることができる雰囲気をつくる。
   ・諸問題の解決策を見いだす活動や自分たちできまりをつくってそれを守る活   動、自己の問題に向き合わせ自己決定するための話合い活動を重視する。
   ・二項対立的な議題にするなど議題の設定の仕方を工夫したり、折り合いをつ   けて集団決定できるようにするなど話合いの進め方を工夫したりする。
   ・生徒自らが生活上の問題を見付けることができるように、班長会議や係会議   等を利用して学校生活を振り返る機会を設ける。
   ・議題選択や話合い、役割分担の方法に関して、小学校の学級活動等で身に付   けた力や国語科で学習した様々な会議の方法を生かせるように配慮する。
  (2) キャリア教育の視点に立った進路指導の充実
   ・生涯を通じて主体的に進路を選択できる力を養うために、3年間を見通した   指導計画を作成し、継続した学習を進める。
      ・学ぶことや働くことの意義について、自分なりの考えを発表したり、話し合   ったり、振り返ったりする活動を重視する。
      ・卒業生、地域の職業人、生涯学習に取り組む人等、様々な人から生き方につ   いて学習する場を設定する。
  (3) ガイダンスの機能の充実
   ・生徒が、学校や学級での生活によりよく適応することができるよう、計画     的、組織的に情報提供等を行う。
   ・入学当初においては、小学校との連携を図りながら、個々の生徒が学校生活    に適応するとともに、希望と目標をもって生活できるよう工夫する。
  (4) 体験活動を生かした指導の推進
   ・自然体験やボランティア活動等の社会体験の意義を理解し、社会の一員とし    ての自覚と責任を高めることができるよう、体験的な学習の場を積極的に取    り入れる。
      ・体験活動を振り返り、まとめたり発表し合ったりする活動を通して自己の生    き方を見つめることができるよう配慮する。
 3 評価の工夫
  (1) 生徒のよさや可能性を伸ばす視点に立って、育てたい生徒の姿を全教員で    吟味し、共通理解した上で評価の観点を定める。
  (2) 国立教育政策研究所発行の「評価規準の作成、評価方法等の工夫改善のた    めの参考資料(中学校 特別活動)」を活用し、評価規準を内容のまとまり    ごとに作成する。
  (3) 事前・本時・事後等の一連の活動過程や年間の活動を通して、全ての評価    の観点についての評価資料が得られるよう、生徒の自己評価や相互評価を活    用したり、教師間の情報交換を行ったりして、継続的、多面的、総合的に評    価できるようにする。
    (4) 生徒一人一人の評価のみならず、集団の発達や変容についての評価も重要    であり、この評価の結果を適切に指導に生かすようにする。

Ⅲ 研究内容とその視点

1 指導計画の工夫
  (1) 生徒の発達の段階や特性等を踏まえ、ねらいを明確にした指導と評価      (評価規準)の計画を作成する。
  (2) 学級活動の年間指導計画を作成する際には、各教科、道徳、総合的な学習   の時間、特別活動の他の内容(生徒会活動、学校行事)との関連を図る。
  (3) 小学校との接続に配慮し、中学校入学当初を含め3年間の学校生活を見通   した系統的、発展的なガイダンスを指導計画に位置付ける。
  (4) 集団としての意見をまとめる話合い活動を中心として、言語活動の充実を   図ることができるよう年間指導計画を工夫する。
 2 指導内容と指導方法の工夫
   (1) よりよい生活や人間関係を築くための話合い活動の充実
   ・教師と生徒、及び生徒相互の信頼関係を深め、相手の立場を尊重しつつ、自    由かつ率直に意見を述べることができる雰囲気をつくる。
   ・諸問題の解決策を見いだす活動や自分たちできまりをつくってそれを守る活    動、自己の問題に向き合わせ自己決定するための話合い活動を重視する。
   ・二項対立的な議題にするなど議題の設定の仕方を工夫したり、折り合いをつ    けて集団決定できるようにするなど話合いの進め方を工夫したりする。
   ・生徒自らが生活上の問題を見付けることができるように、班長会議や係会議    等を利用して学校生活を振り返る機会を設ける。
   ・議題選択や話合い、役割分担の方法に関して、小学校の学級活動等で身に付    けた力や国語科で学習した様々な会議の方法を生かせるように配慮する。
  (2) キャリア教育の視点に立った進路指導の充実
   ・生涯を通じて主体的に進路を選択できる力を養うために、3年間を見通した    指導計画を作成し、継続した学習を進める。
      ・学ぶことや働くことの意義について、自分なりの考えを発表したり、話し合    ったり、振り返ったりする活動を重視する。
      ・卒業生、地域の職業人、生涯学習に取り組む人等、様々な人から生き方につ    いて学習する場を設定する。
  (3) ガイダンスの機能の充実
   ・生徒が、学校や学級での生活によりよく適応することができるよう、計     画的、組織的に情報提供等を行う。
   ・入学当初においては、小学校との連携を図りながら、個々の生徒が学校生活    に適応するとともに、希望と目標をもって生活できるよう工夫する。
  (4) 体験活動を生かした指導の推進
   ・自然体験やボランティア活動等の社会体験の意義を理解し、社会の一員とし    ての自覚と責任を高めることができるよう、体験的な学習の場を積極的に     取り入れる。
      ・体験活動を振り返り、まとめたり発表し合ったりする活動を通して自己の生    き方を見つめることができるよう配慮する。
 3 評価の工夫
  (1) 生徒のよさや可能性を伸ばす視点に立って、育てたい生徒の姿を全教員で    吟味し、共通理解した上で評価の観点を定める。
  (2) 国立教育政策研究所発行の「評価規準の作成、評価方法等の工夫改善のた    めの参考資料(中学校 特別活動)」を活用し、評価規準を内容のまとま     りごとに作成する。
  (3) 事前・本時・事後等の一連の活動過程や年間の活動を通して、全ての評価    の観点についての評価資料が得られるよう、生徒の自己評価や相互評価を     活用したり、教師間の情報交換を行ったりして、継続的、多面的、総合      的に評価できるようにする。
    (4) 生徒一人一人の評価のみならず、集団の発達や変容についての評価も重要    であり、この評価の結果を適切に指導に生かすようにする。

Ⅳ 研 究 方 法

 1 生徒や学校、地域の実態に合わせた題材を設定し、研究主題に沿った授業実践   と研究授業を行う。
 2 各郡市、地区で持ち寄った実践事例に基づいて共同研究を進め、研究主題       の解明を図る。
 3 各郡市、地区の研究成果を集約し、次年度以降の研究に生かす。
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